私も美女になりたいんです
2005年 12月 10日
美女入門
林 真理子 / 角川書店
林真理子のエッセイって大好き!これのほかには「ルンルンを買っておうちに帰ろう」しか読んだことないんだけど、小説とかも読んだことないんだけど(そのうち読みます)。
好きな理由の一つに、言い回しというか言葉遣いがあると思う。
「・・・を見よ」という言葉遣い。大好き!
それから、「さもありなん」。この言葉遣いも。
このちょっと昔風の言い回しをたまにちりばめているのが、自嘲的なこのエッセイをさらに美味しくするトッピングの役目をしているのだ。
時々雑誌社の人から、インタビューした女優がすごく感じが悪かったという話を聞く。くわえ煙草をして、スタイリストを怒鳴り散らしたんだそうだ。昔はそういうのにカーッとして、
「許せない!世の中の人に真実を」
と息まいたこともあるけれど、今は、さもありなんという感じ。
「いいじゃないの、あれだけ綺麗だったらどんなことをしても許されるわよ。あの人が意地悪だって、私たちに迷惑がかかるわけじゃなし。あの人の恋人か何かだって、それでいいわけでしょう」(林真理子「美女入門」の「美人礼賛」より抜粋)
そう、このエッセイはとてもとても「自嘲的」なのである。
そして、この文章の題名にあるとおり、基本的に「美人」を「礼賛」しているのだ。
もちろん自身は美人でない、という立場においてね。
ルンルンもそうだけど、林さんのエッセイには、女性のひがみとか、それでいて実は美しさに憧れたり、美人を前に「負けました」となる気持ち、その一方で「いや、私も彼女に張り合えるはず」なんて自分にしがみついたりする気持ち、カッコいい男の子と一緒に歩いたときの、他の女に差をつけたって思う優越感なんかが、開けっぴろげに書かれている。
女の子がみんな心の中で思ってること、でも絶対に人に言えないこと。言ったら「負け」になる、ちまちました情けなさ、でいっぱいのこのエッセイ。
だから、読んだらスカッとするのかな。
そして、全体にちりばめられている「自嘲」が、なんだか私の感性にぴったんこする。
私もそういうスタンスで生きているからです。
もしかしたら、私と林さんって、結構人間として似ているのかも・・・なんて大それたことを考えてしまったり。
でも、みんなそう思ってるのかな、だからこのエッセイは人気なのかもしれないね。
そんな林さんがエッセイで主張していることがあって、それは、下着とか寝巻きとか、一目につかないものこそ手をかけるべき、ということ。
はあ、なかなか私はそこまで手が回らないけど・・・頭の片隅にとめておくことにしよう。
林 真理子 / 角川書店
林真理子のエッセイって大好き!これのほかには「ルンルンを買っておうちに帰ろう」しか読んだことないんだけど、小説とかも読んだことないんだけど(そのうち読みます)。
好きな理由の一つに、言い回しというか言葉遣いがあると思う。
「・・・を見よ」という言葉遣い。大好き!
それから、「さもありなん」。この言葉遣いも。
このちょっと昔風の言い回しをたまにちりばめているのが、自嘲的なこのエッセイをさらに美味しくするトッピングの役目をしているのだ。
時々雑誌社の人から、インタビューした女優がすごく感じが悪かったという話を聞く。くわえ煙草をして、スタイリストを怒鳴り散らしたんだそうだ。昔はそういうのにカーッとして、
「許せない!世の中の人に真実を」
と息まいたこともあるけれど、今は、さもありなんという感じ。
「いいじゃないの、あれだけ綺麗だったらどんなことをしても許されるわよ。あの人が意地悪だって、私たちに迷惑がかかるわけじゃなし。あの人の恋人か何かだって、それでいいわけでしょう」(林真理子「美女入門」の「美人礼賛」より抜粋)
そう、このエッセイはとてもとても「自嘲的」なのである。
そして、この文章の題名にあるとおり、基本的に「美人」を「礼賛」しているのだ。
もちろん自身は美人でない、という立場においてね。
ルンルンもそうだけど、林さんのエッセイには、女性のひがみとか、それでいて実は美しさに憧れたり、美人を前に「負けました」となる気持ち、その一方で「いや、私も彼女に張り合えるはず」なんて自分にしがみついたりする気持ち、カッコいい男の子と一緒に歩いたときの、他の女に差をつけたって思う優越感なんかが、開けっぴろげに書かれている。
女の子がみんな心の中で思ってること、でも絶対に人に言えないこと。言ったら「負け」になる、ちまちました情けなさ、でいっぱいのこのエッセイ。
だから、読んだらスカッとするのかな。
そして、全体にちりばめられている「自嘲」が、なんだか私の感性にぴったんこする。
私もそういうスタンスで生きているからです。
もしかしたら、私と林さんって、結構人間として似ているのかも・・・なんて大それたことを考えてしまったり。
でも、みんなそう思ってるのかな、だからこのエッセイは人気なのかもしれないね。
そんな林さんがエッセイで主張していることがあって、それは、下着とか寝巻きとか、一目につかないものこそ手をかけるべき、ということ。
はあ、なかなか私はそこまで手が回らないけど・・・頭の片隅にとめておくことにしよう。
by nahocookie
| 2005-12-10 23:37
| カルチャーの話。